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大変ご無沙汰しております。QA+の吉田です。長い間本サイトを放置する形で更新の間が空いてしまい、大変申し訳ございませんでした。この様な状態ではございますが、サイト更新の方向性等で少々考えるところがあり、約2年の時間を費やしてしまいました。

2020年から現在までの間の日本と世界の状況をみると、製造業の役割、品質を考える意味の重要性は増してきていると思います。COVID-19用のワクチン開発で名前が挙がったような製薬ベンチャー、物理的なコミュニケーションが取れなくなったことに代わるネットワークを介したサービスの利用の広まりはこの後も残って社会の中で影響を発揮し続けると思います。

反対に商品を作り、販売する企業には悩ましい事態も多く発生し、その影響は今でも尾を引いています。港湾が閉鎖されサプライチェーンが不安定になり部品や材料の供給が滞りました。更には2022年2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻に端を発する戦争の影響もあり、原材料不足とサプライチェーンの影響は、小さく見積もっても長引き、場合によっては更に大きな制約を受けそうな状況でもあります。

それであっても(もしくはそうだからこそ)生産できること、企画できること、何かを形にできることが重要な時代になっているとも感じます。エネルギーやサービスでは代替機能の開発が求められることもあります。輸入や外部調達に頼っていたものを、可能であれば内製に変えることもあり得ると思います。そういう時に生産能力があることは大事なことです。

今の日本は最後の転換点にいると考えています。何の転換点かというと日本が製造業などの生産を前提とする産業で稼ぎ続ける国でいられるかどうかの転換点です。この機を逃すと観光などの資源の活用を主とする産業のみしか国内に残らないと思います。直近10年間の日本はその観光などを盛り上げようとする経済的な施策を打ち続けてきましたが、それもCOVID-19でなくなりました。今後国家間の摩擦が大きくなれば、人の往来はより困難になるかも知れません。

そうなった場合、別の外貨を稼ぐ産業が必要になってきます。その時に(主にこのサイトを見て下さっている製造業の)「生産できる」「製造能力がある」ことが活きてきます。海外からユーザが来なくても、商品はユーザの元に送ることができるからです。外貨を稼ぐ必要性は、言うまでもなく1990年代から突入した少子高齢化による人口オーナス(経済的に人口負荷が高い=稼ぐ人より養われる人が多い状態)によるものです。

日本は1990年代に突入するまでは人口が増え続けていたので内需が増え、労働力の確保も国内のみで完結し、生産した物も国内で一定量が消費されていました。しかし今は労働力が確保できず、稼ぐ人が減った分だけ内需も減ったので生産量を確保できず、国内のみでは満足な事業収益を得ることができない国になっています。すると国内に仕事がなくなるため、労働力の国外流出が加速します。海外に行くと建設作業員などに移民が従事するケースが見られます。日本の若者が、その移民の立場で海外で働くということです。

これを解消する方法のひとつは海外も顧客にし、日本国内の自社での生産を増やすことです。事業収益が上がれば雇用の確保につながり、労働者=消費者が国内に留まります。その労働者が国内で結婚・出産すれば次の世代につながります。

私は製造業による日本経済の復興の可能性は、まだ消えてはいないのではないかと考えています。その理由としては、災害などをはじめとした日本の自然環境の特徴に対応してきた技術があること、まだ様々な企業規模の製造業が国内に残っていることがあげられます。それらを通して考えると、まだまだ日本が開発して世界に訴えられる商品や技術はあるのではないでしょうか。高度経済成長期からバブル経済、バブル崩壊にかけて日本企業の海外進出と併せて国内のサプライチェーンと生産能力の衰退が進んできました。各企業でも後継者問題など事業継続に関する問題を抱えているケースも多くあります。それでも、まだなくなったわけではないのです。

QA+では、これからは品質と技術に関する領域だけではなく、販売、マーケティング、工業のみではない工芸などの領域の生産者に関する情報も含めた各技術領域のテーマなどにも幅を広げて、記事を掲載していくことを考えています。また読者層も日本国外にもいることが分かってきました。何らかの形で、読者の皆様の今後のビジネス、ひいては人生を豊かにするために必要な情報をお送りできたらと思っております。

改めまして、何卒よろしくお願い申し上げます。

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