最近は働き方の話題も増え個人でもお勤めしている仕事のほかに副業をされる方がいたり、企業でも新規事業を始めようと思う会社さんも増えていると思います。

そんな時には「好きなことを仕事にしよう!」とか「やりたいことやろう!」などと言われることがあります。やっぱりみなさん自分の好きなことを仕事にするとか、華々しい企画を立ち上げらあれる企業になりたいという気持ちが押さえられないんですよね。わかります。自分もそうでした。

・やりたいこととできることは別

ただ現実的には必ずしもそうはいきません。時間の問題、資金の問題、技術の問題、会社だったら人材の問題が立ちはだかります。

【時間の問題】
既に抱えてる案件、普段からやっている仕事(個人の方であればお勤めしてる時間)があればその分の時間は確保する必要があります。そしてそれを終わらせた空き時間は必ずしも多くありません。

【資金の問題】
個人であれ企業であれ、自由に使えるお金は潤沢じゃないケースも多いです。生活したり旅行したりするくらいなら問題ない貯金額でも、事業を起こすとなると心もとない額にしかならなかったり、企業でも次の案件の仕入れに必要な資金は取っておかないと仕事が回らなくなってしまいます。

【技術の問題】
今まで楽器を一切やったことがないのに「音楽が好きだからギターを弾いて演奏してお金をもらいたい」と思っても、すぐにお金を取れるほどギターが上手くなるわけがありません。つまりやったことある事、もともとできることしか仕事になりません。
企業であれば、生産設備があるかどうかが大きい問題です。金属の切削加工を生業にしていた会社が化学薬品メーカに転向するとなると設備も技術も違います。

【人材の問題】
仮に自分がギターを弾けても、他の楽器ができる人がいないとバンドが組めません。新しい設備を導入してもそれを稼働させるための人と技術がないと稼働できないのです。

今の自分にできることを考えると、案外やれることは限られてくると思います。「やりたいこと」の中から、特に自分にとって「できること」が浮き彫りになってきます。

・できることを「パッケージング」する

「パッケージング」とは製品や商品を包装すること、その包装を考えることです。

それと同じように、そのやりたいことの中から浮き上がってきた自分ができることを、他の人から見えるように、他の人が買えるようにしてあげる必要があります。

ギターを弾ける人が、バンドは組めなくても一人で弾き語りをしたり、自分でオリジナル曲の作曲を始めてみたり、「商品」になる形にします。

私も、今はカメラマンとしても活動していますが、そもそもそれはお客様からご依頼を頂いて撮影することをやったことから始まりました。仮にそれが売り上げにつながらなくても、ボランティア活動であっても、商品として提供できる形になっていることが大事なことだと思うのです。

・「パッケージング」を考えると、やるべきことが見えてくる

商品の形を考えると、その形にするために考えるべきことが見えてきます。先ほどのギターを弾ける人が商品を作ることを考えてみます。

 (1)ギターを弾ける人が一人で弾き語りをしてみる
  →今まであまり歌ってこなかったのならば、歌の練習もする必要がある

 (2)自分でオリジナル曲を作ってみる
  →作曲の勉強を始めてみる

どうでしょうか?これらはやりたいことを実現しようと思わなければやらなくて済んだことです。でもやりたいことに付随することであればやるべきこともできそうな気がしてくるかもしれません。

企業であれば、今までとは異なる業務が発生するかもしません。新しい設備を導入しなければいけないかもしれません。そのために人を雇うことになるかもしれません。でもそれは必要なことなのです。やりたいことを実現するためならば。

・やりたいことを想えば想うほど、やるべきことが増える

やりたいことというのは仕事のきっかけであって、実際に仕事をする時には「実際に自分はそれをこなせるか」とか「ちゃんと納品することができるか」という、いわゆる「加工」の作業や「管理」が発生することになります。実際に売り出した後には売りに歩く「営業」の仕事や、実際にその商品がお客様に受けているかを確認し、受けていないならば受ける形を探っていく「マーケティング」の作業が待っています。

これらを見てどう思うでしょうか。実はお勤めの方であれば社内にある各職場の仕事だったり、企業であれば既存事業のとしてすでにやっていることだったりすると思います。

つまり、お勤めになっている会社や既存事業では「やらなければならない」仕事ばかりが多い理由は、もうすでに誰かが「やりたい!」と想い始めたことが「やるべきこと」に落とし込まれて事業という形になっているからです。

これは自分で新しいことを始めても、ゆくゆくは同じ状況になります。やりたいことがある人、新規事業を起こしたい企業のみなさんは「やらなければならないこと」に追われる覚悟を持って、ぜひ挑戦しましょう。

著者プロフィール

Takahiro Yoshida
Takahiro Yoshida株式会社コルプ代表 / QA+編集長 Founder & CEO, QUALP Inc. / Editor-in-Chief, QA+
2008年より精密機器メーカにて民生機器の製品開発における品質保証業務に従事。機械部品を中心としたハードウェアの保証業務5年、機器に搭載するファームウェアの品質保証を4.5年経験。設計部門と連携した開発プロセスからの品質向上、量産を見越した品質構築を実現する。ハードウェア経験も活かしつつソフトウェアの品質向上を実現し、開発会社と連携した担当機種で不具合の低減を達成。
2018年に株式会社コルプを設立、代表取締役就任。写真・映像などのPRコンテンツの製作と品質保証を中心とした業務改善で中小企業を支援。潜在的不良リスクの低減から不測のコスト増に対応できる組織構造の構築にノウハウを持つ。YouTubeチャンネル運用支援では顧客が自立してチャンネルを運用できるよう育成まで行う。業務改善支援では中小企業の30代中堅社員の業務管理方法の改善指導をした上、業務標準化を進めるなど管理面に関する支援を行う。
「判断と構造で、未来に舵を切る人のためのメディア」QA+を立上げ、編集長として各種コンテンツの製作・ディレクションを行う。

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