今、新製品を企画して思うこと。

実は弊社では2019年中のリリースを目指して現在映像関係の新製品を企画中です。詳細はまた別途コーポレートサイトとブランドサイトにてお知らせしたいと思いますが(こちらでも何らかのご連絡はしたいと思います)、改めて自分で試作(というか工作?)したり、製品企画したりしていると、製品化と事業化の難しさと同時に心の底から楽しさ沸き上がってくる感じがします。

・その製品は使っていて楽しいか

B to C製品だったら主に使うのは個人のお客様です。仮にお仕事で使うとしてもオペレーションするのはお一人でしょう。そんな時でも、私は使っていて楽しい製品が作りたいなぁと思います。使っていて楽しいとは、(1)その製品に触れているとき(2)その製品を使っていて得られる結果が楽しい のどちらかは最低欲しいと思います。

(1)の場合は製品の出来がよくて、触ったり操作したりが心地よかったり、見た目がカッコよかったりして見てると嬉しくなる、などがあると思います。他にも操作している中で、目的の昨日の面接の至るまでの操作が合理的で使いやすいなども、使用時のストレスの軽減のみならず使ったときの楽しさにつながるんじゃないかなと思います。

最近の製品でそれを実現できているのはやはりiPhoneでしょう。最近は賛否両論聞かれますが、それでもApple製品とその中でもiPhoneはOSまで含めてですが洗練された使い勝手という点で特徴があるように思います。ちなみに筆者はWindowsとAndroidユーザなので厳密には知らないんですが。笑

(2)はまさにこんなことができる、あんなことができるというような機能の部分です。その部分が製品の本質で買う理由でもあるのでとても重要なのですが、その中でもある程度機能のバリエーションがあったり、これは場合によっては機能の制約条件だったりもします。 製品によっては(1)と複合するものもあるでしょう。

例えば、初心者向けのカメラなどは「スポーツモード」や「夜景モード」など、これを使えばそのシーンが上手に撮れそうな名前がついている機能があります。あれはカメラの露出制御を、そのシーンを撮る時に使われる設定値以外は設定できないようにしています。これは(2)のアプローチで、初心者のユーザが困らないようにしているわけです。

・その製品は作っていて楽しいか

作り手にとって、製品を作ることは楽しいことです。ただ作り進めていく中で考えるべきこと、自社でできないことが必ず出てきます。実は今の私もそうです。正直その事実に行きあたると気分は重くなります。でもこの時、自社でできないから、やり方が見つからないからやらないとするのはやっぱりもったいないと思います。

何か一つでも成立する方法があればそれで一度実現させてみる、ユーザにとってもっといい方法があるかもしれないと思うかもしれません。もっとカッコいいものになるはずだと思うかもしれません。同時に作る方にももっとシンプルな物、性能を保証しやすい加工方法などを考えなければとプレッシャーを感じます。

もっと良くするべき、良くできるはずという気持ちはよく理解できますし、筆者もそうしたいと思う人間です。でもそこで一度立ち止まることも必要なように思います。特に今まであまり製品として存在しないニッチな物、新しい物であればあるほど、完璧主義に近いこだわりは機会損失かも知れません。まず新しい価値を早く製品を通じて体現し社会に問いかけることで、ユーザにその価値を届けることができます。

そのバージョンアップやモデルチェンジを前提にした構成や構造がもし検討できるなら、実はその方がいいかもしれないのです。最初の製品の開発初期の段階で考えることを止めていいということではありません。現時点では目的を達成できる最小限の仕様と構造を検討し、ユーザに要求するオペレーションもシンプルに目的が達成される使い方を提供すべきだと思っています。

筆者は品質保証の業務経験がある機械系エンジニアですが、品質保証の人間がこんな割り切ることを是とするようなことをいうイメージは日本の製造業の方には少ないかもしれません。でも私が本当に製品開発でおもしろいと思っているのは、企画が技術的に達成可能であるかどうか、それを自分が扱いきれるかどうか、ユーザに提供する形にパッケージできるかどうかの3つがバランスして「これしかない!」と思える形に収まる瞬間がものすごく好きだったりします。

実現しなければいけない価値を実現するのがエンジニアリングであるべきなのですが、それが必ずしも達成できない場合には次の落としどころを探らなければいけません。その次の落としどころを探る行為が上記の3つのバランスを取ることだと思うのです。

全ての製品開発には困難があり(新しいことをしているのですから当たり前です)、それを何らかの形でクリアしなければいけないならば、その困難を乗り越えるか、できないなら回り道を見つけるか、何かをしなければいけないのです。

その何かが見つかった時が自分にとっては至上の喜びであり楽しさです。

そんな風に、作り手にとっても使い手にとっても楽しめる製品を作り、作り手も達成感を感じ使い手も新しい道具を手に入れた喜びを感じられるビジネスがしたいなぁと思います。

「やりたいこと」を想い「できること」を考え「やるべきこと」に落としこむ

最近は働き方の話題も増え個人でもお勤めしている仕事のほかに副業をされる方がいたり、企業でも新規事業を始めようと思う会社さんも増えていると思います。

そんな時には「好きなことを仕事にしよう!」とか「やりたいことやろう!」などと言われることがあります。やっぱりみなさん自分の好きなことを仕事にするとか、華々しい企画を立ち上げらあれる企業になりたいという気持ちが押さえられないんですよね。わかります。自分もそうでした。

・やりたいこととできることは別

ただ現実的には必ずしもそうはいきません。時間の問題、資金の問題、技術の問題、会社だったら人材の問題が立ちはだかります。

【時間の問題】
既に抱えてる案件、普段からやっている仕事(個人の方であればお勤めしてる時間)があればその分の時間は確保する必要があります。そしてそれを終わらせた空き時間は必ずしも多くありません。

【資金の問題】
個人であれ企業であれ、自由に使えるお金は潤沢じゃないケースも多いです。生活したり旅行したりするくらいなら問題ない貯金額でも、事業を起こすとなると心もとない額にしかならなかったり、企業でも次の案件の仕入れに必要な資金は取っておかないと仕事が回らなくなってしまいます。

【技術の問題】
今まで楽器を一切やったことがないのに「音楽が好きだからギターを弾いて演奏してお金をもらいたい」と思っても、すぐにお金を取れるほどギターが上手くなるわけがありません。つまりやったことある事、もともとできることしか仕事になりません。
企業であれば、生産設備があるかどうかが大きい問題です。金属の切削加工を生業にしていた会社が化学薬品メーカに転向するとなると設備も技術も違います。

【人材の問題】
仮に自分がギターを弾けても、他の楽器ができる人がいないとバンドが組めません。新しい設備を導入してもそれを稼働させるための人と技術がないと稼働できないのです。

今の自分にできることを考えると、案外やれることは限られてくると思います。「やりたいこと」の中から、特に自分にとって「できること」が浮き彫りになってきます。

・できることを「パッケージング」する

「パッケージング」とは製品や商品を包装すること、その包装を考えることです。

それと同じように、そのやりたいことの中から浮き上がってきた自分ができることを、他の人から見えるように、他の人が買えるようにしてあげる必要があります。

ギターを弾ける人が、バンドは組めなくても一人で弾き語りをしたり、自分でオリジナル曲の作曲を始めてみたり、「商品」になる形にします。

私も、今はカメラマンとしても活動していますが、そもそもそれはお客様からご依頼を頂いて撮影することをやったことから始まりました。仮にそれが売り上げにつながらなくても、ボランティア活動であっても、商品として提供できる形になっていることが大事なことだと思うのです。

・「パッケージング」を考えると、やるべきことが見えてくる

商品の形を考えると、その形にするために考えるべきことが見えてきます。先ほどのギターを弾ける人が商品を作ることを考えてみます。

 (1)ギターを弾ける人が一人で弾き語りをしてみる
  →今まであまり歌ってこなかったのならば、歌の練習もする必要がある

 (2)自分でオリジナル曲を作ってみる
  →作曲の勉強を始めてみる

どうでしょうか?これらはやりたいことを実現しようと思わなければやらなくて済んだことです。でもやりたいことに付随することであればやるべきこともできそうな気がしてくるかもしれません。

企業であれば、今までとは異なる業務が発生するかもしません。新しい設備を導入しなければいけないかもしれません。そのために人を雇うことになるかもしれません。でもそれは必要なことなのです。やりたいことを実現するためならば。

・やりたいことを想えば想うほど、やるべきことが増える

やりたいことというのは仕事のきっかけであって、実際に仕事をする時には「実際に自分はそれをこなせるか」とか「ちゃんと納品することができるか」という、いわゆる「加工」の作業や「管理」が発生することになります。実際に売り出した後には売りに歩く「営業」の仕事や、実際にその商品がお客様に受けているかを確認し、受けていないならば受ける形を探っていく「マーケティング」の作業が待っています。

これらを見てどう思うでしょうか。実はお勤めの方であれば社内にある各職場の仕事だったり、企業であれば既存事業のとしてすでにやっていることだったりすると思います。

つまり、お勤めになっている会社や既存事業では「やらなければならない」仕事ばかりが多い理由は、もうすでに誰かが「やりたい!」と想い始めたことが「やるべきこと」に落とし込まれて事業という形になっているからです。

これは自分で新しいことを始めても、ゆくゆくは同じ状況になります。やりたいことがある人、新規事業を起こしたい企業のみなさんは「やらなければならないこと」に追われる覚悟を持って、ぜひ挑戦しましょう。