5Sの中身と組織力2

・2Sの意味

これまで、5Sは前半の3S(整理・整頓・清掃)と後半の2S(清潔・しつけ)に分かれるというお話をしました。その中で「職場の清掃は管理の第一歩」というお話までしました。

5Sのストーリー
5Sの中身と組織力1

ここでは後半の「清潔」と「しつけ」についてです。5Sのストーリーの中では、後半は以下のような意味を持つというお話をしました。

 清掃が済んだら職場がきれいに、清潔になりましたね。せっかくきれいにしたので、他の人にもこのやり方を伝えて(しつけ)この状態を維持しましょう。

ここで清潔が意味しているのは職場の状態です。加えて、しつけが意味しているのは情報共有と教育です。この二つは組織として業務を行う上で非常に重要な要素です。一つ一つを見ていきましょう。

・状態を維持するためには「状態を定義する」ことが必要

清潔とは回りくどい言い方をすれば「清潔な状態」を意味しています。自分の部屋ならともかく、職場の整理、整頓、清掃であれば「どのような状態になっていたら終わりにしていいか」を決めておかないと、整理、整頓、清掃をする人が変わるたびに終わった状態が変わることになります。これはすなわち清潔な状態を定義することが求められています。

これは職場ごとに、整理の基準、整頓の仕方、清掃の方法などそれぞれの内容と、その結果がどうなっているべきか、どうなっていたら業務がはかどるのかを決めておきなさい、ということを意味します。

それぞれについては、例えば以下のようなことを考えることになります。

【整理】
要るものと要らないもの、未使用品~使用途中~使用済み品の分け方や分ける基準

【整頓】
要らないものの捨て方、要るものの保管方法、 使っていない道具の収納場所や収納方法の決定

【清掃】
掃除機やほうきなどでゴミやホコリを取り除くだけにするのか、雑巾を使った水拭きや、洗剤を使った洗浄が必要なものか、それらをやった結果どの程度きれいになっていればいいのか、日常の清掃はどこまで実施し大掃除の時は何を実施するかの決定

「状態を定義する」とは、 作業内容と方法と判断基準が示されていることです。「普段の清掃作業ではここまで」とか、「年末の大掃除の時はここまで」とか言ったような誰でも明確な基準を作ります。

・状態を定義することで共有と教育ができる

ここまで来て、業務を進めるうえで重要な概念に到達します。「しつけ」、つまり教育ですが、職場に新しい人が入ったり新しいやり方を作ったりしたら、職場での仕事の仕方や新しく作ったやり方をみんなに伝え(情報の共有)、覚えてもらうことで他の人でもできるように(人材の教育)なります。

3Sを実施し、 「清潔な状態」を定義すれば、あとは人材教育を実施することで、5Sは完成に大きく近づきます。

情報の共有と人材の教育に必要なものは明文化された情報です。状態が定義されていれば、その状態の説明をし、その状態を作るための方法を記載すれば、明文化が完成します。

これを教育資料として定期的に組織のメンバーに周知する機会を作れば教育が実施できている状態となります。業務によってはここでスキルマップを作り、各メンバーの達成度を記録するなどして、習熟度の確認ができるようにします。

・5Sは組織力の第一歩

つまり、5Sとは職場環境の整備をテーマにした組織化のプロセスそのものだったのです。

上に上げた「状態の定義」と「情報の明文化」を行うことで、組織力(組織の中にプロセスを構築し、対応できる範囲を拡大すること)は大幅に上がります。

ぜひ組織力を上げるための練習として、5Sに取り組んでみてはいかがでしょうか。

5Sの中身と組織力1

以前、下記の記事で「5Sはストーリーで覚えると覚えやすい」というお話をしました。その時に3Sと2Sに分けた形でストーリーを作りました。

5Sのストーリー


今回は前半と後半に分けた意味をご説明します。

・前半の呼び方は3S

「わが社に3Sはまだ厳しいから3Sで…」と思われてる方も多いんじゃないでしょうか。会社さんによっては2Sからやってます、というところもおありかもしれません。日常業務がお忙しい中で改善活動を行う時間が割けないという現実があると思います。

現実的にはできるだけやる事は減らしたいというお気持ちはあると思います。しかし、せっかくやるなら2Sではなく可能な限り3Sにすることをお勧めします。

・3Sは改善活動の実施そのもの

前回ご紹介したストーリーの中では3Sは「整理」「整頓」「清掃」の3つを示します。まず最初の2S(整理整頓)することが第一歩ですが、ここでは以下の2つがポイントになります。

(1)日常業務の中で出た不用品を分類し処分すること
(2)日々の業務の中で職場に溜まった不用なもの(書類など)を定期的に整理、処分する

(1)では加工した製品と端材であるとか、使用済みの工具や備品と未使用品の整理などが考えられます。新しいボールペンが入っているはずの収納に、使用済みのボールペンが入っていたら困りますよね。

(2)では(1)に加えて長期保管書類の管理などもあります。保管年数が違うなどする場合に特に注意が必要です。紙で保存されている会社さんの場合は紙をファイリングしてあるファイルを作成年毎で分ける、などの対応をされていることが多いかもしれません。デジタルで保管している場合も整理とバックアップを定期的に行うようにします。

この(1)と(2)ができると3つめの「清掃」を実施することは簡単です。特に(2)の場合などは、年末やお盆休み前の大掃除などと合わせてやってしまえば、自動的に大掃除が「清掃」の実施になります。

(1)の場合の清掃については、日常的に清掃をする習慣を作る必要があります。しかし大掃除の時期以外は掃除の時間というのが取りにくかったりもします。その場合、始業時や終業時などのタイミングを決めたり、「〇曜日は掃除する」など特定の曜日で各持ち場を掃除したいする会社さんが多いようです。

もし週1日だけの掃除では足りないようであれば、場所を決めて曜日を分けるなどの対応や、掃除する場所をローテーションで決めて、「X回やれば元に戻る」などとするのがいいかもしれません。

・実は「清掃」の実施は管理の導入になる

ものすごく小さい職場や簡単な事務作業のみで業務が完結している会社さんでなければ、おそらく複数職場あり、書類や資料も膨大になるはずです。

上に書いたように曜日などで掃除する箇所を分けるのであれば、在籍するスタッフが記憶しておくことは現実的ではありません。その場合「月曜日はA室」「火曜日はB室」「水曜日は加工場」など、いつどこを掃除するかを明示しておく必要が出てきます。状況によっては「何日の掃除は誰がやった、終了していることを確認した」などの記録が必要になるかもしれません。

実はこれはまさに管理の第一歩です。管理の第一歩を踏み出せたかどうかが、次の2Sの実現に大きく影響します。

次回では2Sの実施についてお話ししたいと思います。

5Sの中身と組織力2

5Sのストーリー

5Sは最近では製造業以外でも知ってる方が増えたように思いますが、それをストーリーで覚えている方はあまりいらっしゃらないようです。ストーリーで覚えてしまうと順番も間違えず早いので、ストーリーで覚えてしまいましょう。

【5Sの順番 】

  • 整理
  • 整頓
  • 清掃
  • 清潔
  • しつけ(躾)

この順番通りにストーリーの中にはめ込みます。

まず、職場にある要るものと要らないものを整理しましょう。その次に要るものは適切な場所に収納し、不要なものは廃棄するなどして整頓しましょう。そうすると不要なものを廃棄した分だけスペースに余裕ができます。その空いたスペース使えばものが移動できるので、現場を清掃しましょう。

清掃が済んだら職場がきれいに、清潔になりましたね。せっかくきれいにしたので、他の人にもこのやり方を伝えて(しつけ)この状態を維持しましょう。

このようになると分かりやすくなると思います。

前半と後半の間を一行開けたのは意味があります。前者までで3S、後者の2Sを加えて全部で5Sとなります。 この3Sと2Sに分けた意味はまた改めてご説明することにします。