2020年3月にこれからの100年を想う

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2020年3月現在、世界は新型コロナウイルスに起因する感染症(COVID-19)拡大の渦中にあり、各国政府からの行動制限と重症患者の治療のニュースが連日流れている状況です。それに伴い予定されていた東京オリンピック・パラリンピックも延期を含めた検討をIOCが始めるというニュースも流れました。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて東京オリンピック・パラリンピックの開催に懸念が広がるなかIOC=国際オリンピック委員会は22日に臨時の理事会を開き大会の延期を含めた具体的な検討を組織委員会と始めることがわかりました。


https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200323/k10012344641000.html

東京五輪・パラの開催 延期を含めた検討へ IOC臨時理事会 (NHK NEWS WEB: 2020年3月23日 1時31分 )

行動制限の結果世界中で産業が停止し、経済不安に陥っており、日本国内でも大規模なイベントは自粛を要請され、一部は開催に踏み切る会や団体もあるものの、多くは中止もしくは延期、開催するとしても会場への入場を禁止し様子はオンライン配信されるなど、観客が集まることがないような環境を作ることが前提となっています。

その結果従来のイベント主催者、またその関連企業や旅行会社などは経営的に厳しい状況に直面しています。前年の消費税改正に輪をかけるような行動自粛と日本にとって唯一と言っていいほど明るい話題だったオリンピックの2020年中の開催可否が問われるという不遇とも思える時期に、あえて2030年以降の話をしたいと思います。

・2030年は満州事変から約100年経過する

満州事変の口火を切った柳条湖事件が起こったのは1931年です。ここから日本は満州の占領に突き進むこととなります。更に10年後の1941年には太平洋戦争が勃発します。国際関係としては1945年に連合国側の勝利として戦争は終わりますが、かつてのこの期間、主に戦地に起こった道具の使われ方は後の世界に大きな変化をもたらします。

それまで歩兵の支援が主だった戦車が単体で戦闘に起用されるように、航空機は急速な発展とともに戦力の一角を担うようになります。その結果、戦後の世界では、かつて大砲の大きさを各国が競い合うように大きくしていった戦艦は跡形もなく消え失せ、艦隊の主役は航空母艦になります。

戦車も航空機も空母も発案されてからそれまで各国で作られていました。それが第二次世界大戦の頃には使い方が大幅に変わったのです。何が境になって使われ方が変わったのでしょうか。そもそも以前のそれらは性能が足りなかったのでしょうか?実戦で大勢で使うにはそもそも数が足りなかったのでしょうか?生産技術が未熟だったから数が作れなかったのが問題でしょうか?そういう部分もあるでしょうが、問題の本質はそこにはないように思います。

・使い方は使う人が決める、という事実

そもそも、それ以前の時代にはそれらを実戦で主力として使うという発想になっていたでしょうか?言い換えれば、「これがこのように改善されれば実戦に投入可能である」という発想が起こらずして、新しい使い方が生み出されることはないのではないかという話です。

過去の使い方に縛られ、それを前提として作戦を組むことが習慣になっている人には、新しい使い方は生み出せなかったでしょう。その新しい発想につながる環境に身を置けるかということが、物事の新しい局面に切り込むために必要なことなのではないかと思います。そして、新しい使い方をイメージで来た人だけが、そこで必要な技術に目を向け、アップデートに必要な要件を考え、その要件を満たす要素技術の改善をなし得るのではないでしょうか。

・次の100年に必要な要素の萌芽はもう既にある

かつてそうであったことが次の100年にも共通するのなら、次の時代に主力になる技術や道具、材料はもう既に社会に存在するのではないでしょうか。次の100年がどのような世界になるのかを想像し、その時我々には、もしくは我々の子や孫の世代には何が必要かを考え、今手元にある材料から何かを生み出すのは我々の想像力以外にないのではないかと思います。

人と会うことができなくなって気持ちが落ち込んでいる人も多いと思います。ある人は仕事がなくなって明日の食費にも困る状況に陥っているかもしれません。またその下降線の渦中にあり気が気ではない日々を過ごしている人もたくさんいると思います。

こんな時だからこそ、その暗い気持ちを少しの間でも脇に置き、未来を思い描き、その未来のためになるであろうことをどんなに小さなことでも一つ一つ積み重ねていけたらと思います。

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