プロダクト品質を形作るもの

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多くの場合で「品質」という言葉が使われるときは出来上がったプロダクト(商品や製品、システム)の品質を指すと思います。

しかし業務の中で関わる品質は品物の品質を意味するプロダクト品質だけではありません。その製品品質を作る上で業務上影響する品質について簡単にお話しします。今回は大きく以下の3項目に対してご説明します。

・ドキュメント品質
・プロセス品質
・オペレーション品質

実はこれらは特にIT関係のシステム開発業界などでは頻繁に聞く用語だったりもしますが、製造業、特に今後自社で製品開発をしたい企業には参考になる部分も大きいので、製造業目線で書いてみます。

(1)ドキュメント品質

業務中に作成されるドキュメント(書類)の品質を言います。

・必要なことがもれなく書かれているか
・体裁や項目が統一されているか(毎回書かれることが違っていないか)
・読みやすい書き方になっているか
・(図面などは)書式が間違っていないか

業務中に確認するための文面だからこそ統一しておいた方がいいこと、抜け漏れが後の作業に影響することなどが多くありますので、社内で各担当部署、各プロセスで必要な書類と項目の取り決めなど、必要なことが多くあります。

(2)プロセス品質

プロセスとは生産工程ではなく新しい製品の開発プロセスのことで、ドキュメントや作っているプロダクトの状況を作り込みの各段階に応じて確認と検証をしながら作り進めることを考えます。顧客との仕様書や図面のデザインレビューなどに臨んだことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それらの位置づけや内容などはプロセス品質として考えるべきものになります。それ以外でも検証用の評価内容のレビューや、評価結果の報告と状況確認などもあり得ます。

ゲート管理などの方法を取り入れている会社さんもいらっしゃるかもしれません。作業と確認を組み合わせた業務の進め方そのものがここでのテーマになります。今までお伺いした会社さんでお話を聞いている限り、前工程への差し戻し条件や次工程への進行条件など、各社の進め方や考え方が出やすい部分でもあるように思います。

(3)オペレーション品質

各プロセス内での作業そのものの品質のことを指します。製造業であれば加工だったり組立作業になりますが、作業の品質が低いと当然ですがプロダクト品質は落ちます。

しかし開発中の製品の場合、必要な作業そのものが何かがまだ明確ではなかったり、今までにない新しい作業を導入する場合には担当者が作業に不慣れな状態だったりして、オペレーションの品質がそもそも低いことがあり得ます。

その場合は工程設計のための工程開発プロセスを製品開発のプロセスと同時に立ち上げ、作業者の人材育成とスキルマップの作製などを同時に進めた方がいい場合もあります(具体的なタイミングについては開発中の製品と作業内容によりますので詳しいご質問はお問合せにてお受けします)。

特に製造業の場合は量産時の品質安定が課題になります。工程設計のタイミングでは加工や組立ての量産バラつきを測定することも必要です。作業者の工程能力にあった製品設計になっているか、または作業者の工程能力を上げることができるかが検証ポイントになります。



如何でしたでしょうか。製品開発に取り組むとき、または自社の業務を見直すとき、品質は見直す目的であると同時に観察、計測する対象にもなり得ます。

これらを組み合わせて構築された業務でプロダクト品質は構成されますが、製造業の場合、実際の加工や組み立てでは量産バラつきが発生しますので、これらを意識しながらプロダクト品質を作り込むことを忘れないでください。

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