2020年3月にこれからの100年を想う

2020年3月現在、世界は新型コロナウイルスに起因する感染症(COVID-19)拡大の渦中にあり、各国政府からの行動制限と重症患者の治療のニュースが連日流れている状況です。それに伴い予定されていた東京オリンピック・パラリンピックも延期を含めた検討をIOCが始めるというニュースも流れました。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて東京オリンピック・パラリンピックの開催に懸念が広がるなかIOC=国際オリンピック委員会は22日に臨時の理事会を開き大会の延期を含めた具体的な検討を組織委員会と始めることがわかりました。


https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200323/k10012344641000.html

東京五輪・パラの開催 延期を含めた検討へ IOC臨時理事会 (NHK NEWS WEB: 2020年3月23日 1時31分 )

行動制限の結果世界中で産業が停止し、経済不安に陥っており、日本国内でも大規模なイベントは自粛を要請され、一部は開催に踏み切る会や団体もあるものの、多くは中止もしくは延期、開催するとしても会場への入場を禁止し様子はオンライン配信されるなど、観客が集まることがないような環境を作ることが前提となっています。

その結果従来のイベント主催者、またその関連企業や旅行会社などは経営的に厳しい状況に直面しています。前年の消費税改正に輪をかけるような行動自粛と日本にとって唯一と言っていいほど明るい話題だったオリンピックの2020年中の開催可否が問われるという不遇とも思える時期に、あえて2030年以降の話をしたいと思います。

・2030年は満州事変から約100年経過する

満州事変の口火を切った柳条湖事件が起こったのは1931年です。ここから日本は満州の占領に突き進むこととなります。更に10年後の1941年には太平洋戦争が勃発します。国際関係としては1945年に連合国側の勝利として戦争は終わりますが、かつてのこの期間、主に戦地に起こった道具の使われ方は後の世界に大きな変化をもたらします。

それまで歩兵の支援が主だった戦車が単体で戦闘に起用されるように、航空機は急速な発展とともに戦力の一角を担うようになります。その結果、戦後の世界では、かつて大砲の大きさを各国が競い合うように大きくしていった戦艦は跡形もなく消え失せ、艦隊の主役は航空母艦になります。

戦車も航空機も空母も発案されてからそれまで各国で作られていました。それが第二次世界大戦の頃には使い方が大幅に変わったのです。何が境になって使われ方が変わったのでしょうか。そもそも以前のそれらは性能が足りなかったのでしょうか?実戦で大勢で使うにはそもそも数が足りなかったのでしょうか?生産技術が未熟だったから数が作れなかったのが問題でしょうか?そういう部分もあるでしょうが、問題の本質はそこにはないように思います。

・使い方は使う人が決める、という事実

そもそも、それ以前の時代にはそれらを実戦で主力として使うという発想になっていたでしょうか?言い換えれば、「これがこのように改善されれば実戦に投入可能である」という発想が起こらずして、新しい使い方が生み出されることはないのではないかという話です。

過去の使い方に縛られ、それを前提として作戦を組むことが習慣になっている人には、新しい使い方は生み出せなかったでしょう。その新しい発想につながる環境に身を置けるかということが、物事の新しい局面に切り込むために必要なことなのではないかと思います。そして、新しい使い方をイメージで来た人だけが、そこで必要な技術に目を向け、アップデートに必要な要件を考え、その要件を満たす要素技術の改善をなし得るのではないでしょうか。

・次の100年に必要な要素の萌芽はもう既にある

かつてそうであったことが次の100年にも共通するのなら、次の時代に主力になる技術や道具、材料はもう既に社会に存在するのではないでしょうか。次の100年がどのような世界になるのかを想像し、その時我々には、もしくは我々の子や孫の世代には何が必要かを考え、今手元にある材料から何かを生み出すのは我々の想像力以外にないのではないかと思います。

人と会うことができなくなって気持ちが落ち込んでいる人も多いと思います。ある人は仕事がなくなって明日の食費にも困る状況に陥っているかもしれません。またその下降線の渦中にあり気が気ではない日々を過ごしている人もたくさんいると思います。

こんな時だからこそ、その暗い気持ちを少しの間でも脇に置き、未来を思い描き、その未来のためになるであろうことをどんなに小さなことでも一つ一つ積み重ねていけたらと思います。

機能に不足がない企業に「内製化」のメリットはあるか

自社にない機能は自分で始めてみることで内製化を進めることが一般的になるというお話をしました。では業務の内製化は既に組織の機能面に不足がない企業はする必要がないのか考えてみましょう。

・組織に不足がない企業はスキルを内製し始める

組織面から当面機能の不足を感じることがない企業の場合は各職場内にあるスキルに不足を感じることが考えられます。何故なら新しいことをやろうと思ってもその新しいことに対応するスキルがないからです。ここで、新しいスキルを社内に取り込むときに取りうる方法は2つあります。そしてそれぞれにメリットとデメリットが存在します。特に人材の観点から考えてみましょう。

(1)そのスキルを持った人材を採用する
(2)社内で新しいスキルに対応するための人材を選び教育する

(1)のメリットとデメリット
・メリット
提示できる待遇にもよりますがその道のプロフェッショナルを雇うことも可能です。その点でスキル単体の品質を高めやすい方法ではあります。

・デメリット
仮にスキルが高い人を確保できても自社の方法にマッチするかどうかが分かりません。採用した人材が「自社の文化に合わない」と思われた経験がある企業も多いと思いますが、採用された方も「自分とは合わない」と感じています。

ここで、採用した企業側が「自社の文化に合わない」と感じた場合には注意が必要です。もしかしたら、採用に当たり検討していた事業を行っていく上では新しく入社した方の考え方やアプローチの方が適切であるケースもあるからです。今まで自社で行ったことのない事業や商品を扱っていく上では、社内の文化や風土、やり方を変える必要があるかもしれないのです。もしその可能性を想定しないまま、今まで社内にない技術を持った人を雇った場合、その方が離職してしまうかもしれません。これでは、組織が変わろうとしている意欲そのものを潰してしまいかねません。新しい事業のための新しい技術やそれが使える新しい人材が欲しいならば、その事業に当たる受け入れ側の企業が、入社した方を守らなければいけません。

それに加えて、新しく入社した方が言う事とやる事を、もともといる従業員(まずは受け入れ職場)が理解できるようになるまで新しい分野の勉強をする必要があります。むしろその勉強の時間が、新しい分野を社内に取り込むための礎になります。決して、人材採用のみで新しい分野への進出が完了するわけではありません。

(2)のメリットとデメリット
・メリット
社内で新しい分野の担当者を任命して一から構築することで、外部から採用する時に発生しがちな人材側のスキルと企業側の求めているもののミスマッチを防ぐことができます。ただし、社内にノウハウがない状態は同じなので、新しい事業・商品の学習と構築を進める方向を整理しながら進めることが大事になります。

元々いる従業員が担当者になるため、社内の雰囲気が理解できないなどという問題は最小限に抑えられますが、その担当者にすべてを任せすぎると、その担当者が孤立無援になって(いると当人が感じて)しまい、本人の中に無力感や諦めのような気持ちが起きることがあります。そうすると逆効果なので、社内で担当者を選出する場合でも組織的な支援の体制は必要です。

担当者がほぼ0の状態から立ち上げるので自社にあった形を作っていくプロセスをはじめから追うことができるので、それを明文化すれば教育資料とまではならなくても簡易的に手順化ができます。担当者に余裕がなければ別の人をあてがうことも検討すべきです。その方が状況を客観的に把握できるメリットもあります。

・デメリット
社内に新しく導入したい分野や技術に関する適性のある人がいるかどうかが問題になります。数名から数十名程度しかいない中小企業の場合新しい分野を勉強するのは社長の仕事になりがちですが、それより大きい組織になると、担当者を付けることが選択肢に入ります。その場合誰に任せるかが大きなポイントになります。

この時、一度に複数人を選出したてチームで学習を進める方法や、一人が不向きだった場合に別の人物を選出するということもあり得ます。それぞれの方法に応じて組織的なケアが必要であるのは変わりません。

・内製化を本質的に進める時に取る方法論

先の記事で書いた「自分でやる」を実践することを優先して考えるならば、(2)の社内で人材を確保して立ち上げることが望ましいと思います。小さい組織が「自分でやる」ことは社長がやる事を意味するのであれば、大きい組織にとっての「自分でやる」は「自社内でやる」「自分達でやる」だからです。

自社で実施する事によってノウハウを蓄積することができれば、応用もさせやすくなりますし、これから市場が新しく興ってくる場合には既存の人材だけでは対応できない場合も考えられ、その場合はいずれにせよ自社で対応することが必要になるからです。その結果地盤ができれば外部から人材採用を行っても取り組みが評価されて採用しやすくなることも考えられます。

社内に体制を構築していく上では、もちろん外部のセミナーなどの勉強会を活用することは充分に考えられます。社内に担当者を作ることでその内容を組織として消化しやすい土壌を作ることにもつながるでしょう。

・適切な投資を行う

注意すべき点は社内に担当者を作ることは最初から大規模な投資をする負担を軽減することにつながりますが、必要な投資をしなくてもいい事にはならない点です。新しく始めたい内容について設備や資産が必要であれば購入しなければそもそも何もできませんし、新しい分野の学習を進めるにしても資料やセミナーの受講もなしで始めることはできません。

新しく始める分野に必要なことは何か、そのためにどの程度の予算が必要かはある程度最初から見積もっておく必要があります。学習や構築を進めるにつれて見積もりの精度も上がると思います。

これからは「内製化」がトレンドになっていくと思う:2020年の初めに想うこと

もう2020年も最初の一か月が終わろうとしていますが、ここでこれから先の時代に向けたプロセス構築のため、今まで既に動きがあり、今後加速していくように思われることについて書き留めておきたいと思います。

製造業、特に機械加工等や大きな生産工程が必要な工業製品の分野では、自社のコアになる技術を伸ばして、それ以外の生産設備や開発能力は外注化するのが一般的だったと思います。少なくとも1980年代以降はそのような動きが徐々に進んできた時代であり、海外への移管も視野に入り、時代が進むにつれて完成品メーカも部品メーカも量産フェーズでは海外で作って海外で売る時代になりました。

今まで海外に出た企業や工程、製品の販売ルートなどの一部はまだ海外で維持されると思いますが、2020年を迎え、更には2030年代から次の100年に向けて、しばらくは「内製化」が大きなキーワードになると筆者は予測しています。その理由をSCMの成り立ちをおさらいしながらご説明します。

・SCMという言葉の裏にあるもの

製造業では専門性の高い業務を外注先として活用し、供給網を形作りますが、その例としてよく自動車メーカが上げられます。完成車メーカの供給網は強固ですが、他の業種にもこれに類する形態があります。

発注元である完成品メーカはSCM(サプライチェーンマネジメント)と呼び管理対象としています。完成品メーカが意識するのは完成品メーカが直接見ることができ統括できる稼働状況(コスト・納期・品質)ですが、一方でそれらを満たすために活動している各企業の経営状態なのかはおおもとの発注元にとっては関知しない、もしくはできないことでもあります。特にコストダウンについては毎年のように「企業努力」としながら値下げを求められている企業も少なくないと思います。

その結果、その会社の仕事をこなすことを主体にする企業が出来上がります。同じ業界、同じ顧客、類似の製品の対応を延々と続けていると、それ以外の業界や市場の開拓、新しい顧客の獲得、新規の製品や技術開発に対応するコストが上がります。経営上、実際に工数や費用も掛かりますが、取り組もうとするマインドがないと動けなくなります。有り体に言えば億劫になります。何故なら今までと同じ仕事をしていれば売り上げはあがるので、無理に新しいことをする必要はないからです。

一社依存度、業界依存度の高い系列内の「下請け企業」の出来上がりです。

・大企業、中小企業とも組織構造に不足を感じるようになる

日本の場合時代を追ってこの状況をより加速させてきたわけですが、この状況を維持しきれない状況がやって来ます。時代によって売れる商品が変わるので、必然的にサプライチェーンの組み換えが起こります。特に殊更言われるのは電気自動車の例です。自動車の原動機が内燃機関で動いていた時代から電池とモータになれば当然部品の構成が変わります。すると調達先も変わる可能性が出てくるということです。

売れ筋商品が変わると、それが取引先に発注数量の増減や新規契約や契約の終了などの形で波及します。ここまでに動向を把握し次の手を打っていれば主力商品や主要顧客を切り替えることも可能でしょうが、領域を広げる取り組みをしていなければそれも難しくなります。

大企業であれば新しい取引先を探したり、資本力に物を言わせて新しい取り組みをしている企業や商品を買うという選択肢もあります。同業種の企業を買収したりOEMで販売商品を揃えることに切り替えるなどの手です。この場合、同程度の性能の製品や、同じ外観の付属品や本体が別ブランドで流通している、などの状況が見られることもあります。これらは企業規模を問わず新しい商流、新しい取引先、新しい技術と商品を求めてサプライチェーンを飛び出さないといけない時代に入っていることにほかならず、実際に各企業がその風を肌で感じていると思います。

中小企業の場合、今までお世話になっていたサプライチェーンから出たとき、従うルールや報告する先がなくなる一方でいろいろな業務が主に自分たち(多くの場合社長)の手元に山積します。事業や商品を企画するのも、新事業の担当者の面倒を見るのも、外注先に頼むならその交渉も、商品の営業にいくのも社長の仕事です。もし売れた商品に不備があったならユーザがクレームしてくるかもしれません。その対応も受け付けはできても対応ができるのは社長である場合が多いでしょう。

・内製化が進むのは中小企業から

予算面の余裕から外注先に頼める部分があるのならまだよくて、資本力のない企業は「自分でやる」しかありません。中小企業の場合、特定の技能を持つ人材や目的にあった出力が可能な加工機などの設備を保有しています。しかし、新規の顧客をつかむ営業部隊や、ユーザクレームに対応するコールセンターは持っていないならば、それらは企画者(事実上権限が集まる社長)の仕事になります。

つまり、今までSCMの最上流に位置していた完成品メーカの品質保証体制と営業力に頼りなにもしていなかった部分がすべて自社で内製化すべき作業になります。決して一つの製品を作る上で必要な隣接した工程を内製化するのではないのです。ビジネスを進める上で必要になる組織の機能を、自社内に作ることから内製化が始まるのです。自分のスマートフォンで商品の写真を撮り、自分でチラシを作り自分の手で配るのです。

「デザイナーに頼めばやってくれるんじゃないのか?こっちには予算がないんだから安くやってくれるように頼んで、デザイナーが何か作りたいときに手伝えばいい」とお思いでしょうか?それはSCMの中で生きてきた企業が発注元の企業にやられてきたことではないですか?それで苦しくはなかったでしょうか?何故人は自分が「苦しい」「嫌だ」と思っていたことを、立場が変わったら他人にしてしまうのでしょうか?外注先に依頼する予算があっても、依頼内容を考え、適正かどうか判断をするのは発注者です。外注すれば終わるわけではありません。

仮にそう思っていないとしてもまず自社でやってみることは有効です。何故なら、一度自分でやることで外注した際にも外注先でどのようなプロセスやタスクが発生するかの想像がつくようになるからです。それらが想像できることは納期やコストの予測がついたり、依頼時のコミュニケーションがスムーズになったりと、発注者に必要な想像力の源泉になります(逆説的ですが、外注先の工程の想像がつかない大企業の若手社員が上司の指示通りの無茶を言うこともここに原因の一部があります)。

・内製することで得られるノウハウと力がある

実際に今行動している中小企業も多くある中で、それらの企業のうち一部でも自社の事業で売上を作り既存のサプライチェーンを完全に離脱せずとも複数の収益源を持つことができたならば、サプライチェーンの中でほぼ特定の顧客に依存しながら生きている企業は得ることができない他の業界の知識やたの技術分野のノウハウが手に入ります。そして、仮に自身の力のみで商品を企画し営業と品質保証業務を適切に遂行できるようになれば、日本には規模を問わずとも「完成品メーカ」として経営できる企業が爆発的に増えることになります。

それらの企業と新事業の中から規模拡大が図れるものが出れば、その企業が主体となり新しいSCMを構築するきっかけにもなり得ます。海外に生産プロセスや開発プロセスを展開するケースが起こるかもしれません。今まで同じ工業団地の中にいながら取引がなかった企業とも取引が開始できるかもしれません。同業者の仲間に仕事を発注できるかもしれません。中小企業が各々にサプライチェーンを持つことは共に生きる時代にとても必要なことのように思うのです。

そうなることは、2030年以降の日本にとって、確実に国力を増進させる一翼を担う力になると思います。そうなれば、また日本人が世界中の人々と手を取りあい、共に新しい価値を産み出すことができると私は信じています。

2020年、年始のご挨拶

明けましておめでとうございます。旧年中は9月のQA+リリースより大変お世話になりました。今年も宜しくお願い申し上げます。 2020年の年始でQA+および筆者自身としても一度書き記しておこうと思います。

・2019年、営業内容の見直しと自社の存在意義と方向性の見直し

2019年は大幅な方向転換を求められる年でした。株式会社コルプとしては写真・映像制作を軸に、本(冊子)やWebサイトなどのプロダクトの制作まで広げて営業してみたりもしました。

そんな中で、ほぼ1年を通して関わりそうだったプロジェクトのために年始から準備を始めたものの、夏前にそれがなくなったために夏はほぼ案件がなく、当然売り上げベースでもそれなりの影響を受けました。受託業務はクライアントを含めた外部の状況に左右されることを痛感しました。

とは言え、それで時間ができたためにもともと企画を考えていた本サイト、「品質保証からビジネスと経営を考えるメディア QA+( http://qa-plus.net/ )」をはじめられたり、ある学生向けNPO法人でボランティアワークをさせてもらったりできたのは怪我の功名でした。

それを通じてプロジェクトマネジメント、品質マネジメント、マーケティングの意味と、それらを機能的に持つことの意味と価値を再認識しました。

・初の展示会出展(それも業界で国内最大)

10月は株式会社コルプとして初めての展示会出展としてアパレル系のB2B即売会『PLUG IN』に出展させて頂きました。そこでは 初めての自社企画製品であるMY STAGE( http://q-l-p.com/mystage/ ) の量産型のお披露目をしました。多くの方にご注目頂き、またいろいろなコメントを頂戴することができました。

また、案件がなくなり空いた時間で短時間ながらも情報収集に行った展示会で、友人からの紹介を受けて知り合った方にお誘い頂き、映像放送関係の国内最大の展示会であるInterBEEにお手伝いとして参加させて頂きました。まさか開業2年目で出展側で参加できるなど想像もしていない規模の展示会でした。

そのInter BEEでもMY STAGEのデモ展示をさせて頂きましたが、MY STAGEは生産も、現時点では私が作業しているので大々的なプロモーションができません(なのでプレスリリースも出せていません)が、まずは細々とでも在庫と新製品開発を進めたいと思います。

もしご興味がおありの方がいらっしゃったらお声掛け下さい。訪問してのデモ動作なども承ります。

Inter BEE出展の様子(動画制作:株式会社コルプ

・株式会社コルプとQA+の2020年

2020年は2019年の反省を反映して撮影にフォーカスします。映像は一昨年、昨年と撮ってきましたが、今年からは写真でも同様ですが、筆者の得意な機械や工業製品をライティングを活かしたカッコいい雰囲気の映像表現も試みます。

まだまだ小さい規模ではありますが、本サイト、QA+も初めの2か月はほぼ毎日2000字程度の文章を書き続け、当初から皆様に見て頂き大変ありがたく思っております。そして3か月くらい経ってから検索エンジン経由の閲覧に関する数字も動き始めました。もしかしたら自分の書いたものがまだあったこともない誰かに読まれているかもと思うとなかなか不思議な感覚ですが、読者にお会いするなどして、この感覚が実感になる日を楽しみに発信し続けようと思います。

今年(からしばらく続きますが)の筆者のキーワードは【自分の中のイメージの具現化と「あたりまえ」の明文化】です。その一つが、筆者名義のYouTubeチャンネル、「Takahiro Yoshida Photography」です。

Takahiro Yoshida Photographyでは、主に3つの軸で動画を制作しております。
(1)写真作品をスライドショー化した動画(8K対応の試みの実行)
(2)写真セミナー動画(リアルのセミナーの補完、参照できる情報の拡充)
(3)カメラに関する雑談、話題の動画(筆者の興味・趣味的な観点の情報発信)

(1)については、写真を撮っているうちに見せ方として動画にした方がいい場合もありそうであると感じたこと、また編集ソフトもYouTubeも8Kに対応していたため、素材さえ8K解像度で用意できれば8K動画が製作可能であることを実証することの2点が目的としてあります。

写真用カメラは(録画し続ける間ずっとデータが貯まっていく映像用カメラと違い)1枚しか画像を撮らないため、解像度は大幅に大きいのが通例です。弊社の写真撮影業務で使用しているカメラも縦横比が違うため8Kサイズに収まらないものを、枠を付けることでクリアし、8K化しています。


(2)は、昨年初めて協業先企業が企画したセミナーに講師としてお招き頂き製品を販売したい企業様向けの「商品写真の撮り方講座」を行いました。その講座を補完する情報を自分から発信できていないことに気づいたのが、セミナー動画を始めたきっかけです。

株式会社コルプが主軸にしている撮影は商品を含めた広報・広告を目的とした写真ですので、それらにつながる方法や知識もゆくゆくはご提供できたらと思っておりますので、もしご関心がある方はチャンネル登録をして頂けますと幸いです。

(3)については、かつて筆者が趣味で運営していたカメラと写真を話題にしたブログのコンテンツの動画化という意味合いで公開しています。もしセミナー動画等を通じてカメラにご興味をお持ちになられた方がいらっしゃいましたらご覧頂けますと幸いです。


QA+は今のところ文字コンテンツだけですが、近いうちに映像コンテンツの配信を開始します。そちらの企画については実際に公開を始める際に改めてお知らせさせて頂きたく存じます。

10年スパンで考えれば2010年代が終わり2020年代に入ったということになります。筆者にとっての2010年代は環境に合わせて自分を変えていく時代でした。2011年、29歳の時に会社で座ってるのも苦しいくらいに身体を壊し、あまり他の方に話したことはありませんが、自分の担当の機種の量産立上げにも行けないという醜態を晒しました。 そこから休日などに社外の空気に触れるようにした結果、色々な方々に出会い、会社以外、自分の業界以外の色々な世界を知ったのが2010年代の前半の自分でした。

2010年代の後半にはその様々な方面の人が、何らかの形でつながり始めるという動きが見られました。そんな動きの中で自分でも独立という選択肢を2017年、35歳のタイミングで取り、2019年には自分が勤めていた業界に近い分野の展示会に出るなどといった展開を得たことは先に書いた通りです。

特に2019年などは新しくもめぐりめぐって元の所に戻るような展開もあり、どこか帰る場所があるような、またそこから何かを始められそうな感覚を得ています。2020年代は、自分と自社からも変化を作り出せる時代にしたいと思います。その中でQA+を通じてつながった皆様ともご一緒できることを心待ちにしております。

2020年も、株式会社コルプとQA+を何卒宜しくお願い申し上げます。

未知なる領域へ臨むときに考える品質

2019年10月15~18日の会期で、千葉県幕張メッセにおいてCEATEC2019が開催されていました。少し遅くなりましたが、その中から今後の製造業やものづくりと、品質についての未来を考えさせられる話題について、QA+として興味深い話題について、何回かに渡ってご紹介をしたいと思います。

・日本初の月面探査実現に向けて

株式会社ダイモンは自社開発のローバーである“YAOKI”で日本初の月面探査を目指しています。CEATEC2019では、AVATAR Xの共創ブース内にて、YAOKIの走行体験を実施していました。2021年に米・Astorobic社のランダー(着陸船)に搭載され月面探査を予定しています。

ダイモン社のローバー、YAOKI。

YAOKIは小型軽量で大径車輪が特徴的なロボットで、コストが高くサイズに制限のある月輸送に対応したサイズと重量を実現し、月面での活動を考慮した走破性と強度を持たせた形状と構造になっています。砂地を再現した体験ブースでもスタックすることもなく起伏を越えることが可能でした。

ブースではリモコン操作も体験でき、実際の月面探査の際には地球上から無線制御で操作するとのことです。

月面での行動と宇宙空間の移動という通常想定される環境とは全く異なる環境条件での使用が前提となっている機械ですので、現時点で想定できる事項を可能な限り反映した設計になっているという印象です。

砂地での走破性と操作性を体験できるブース。実際に会場で参加者が操作することができた。壁面のモニターには会場にいるYAOKIから送信された映像が映し出されていた。

2021年に最初の1台を月面に送り込む予定になっているYAOKIは、ダイモン社代表の中島氏が一人で企画・開発・設計を行い3Dプリンターによる試作・製造を行っています。3Dプリンターの活用で設計変更の反映の時間短縮が可能となっており、また現時点での完成品についても設計強度を満足した個体を出展しています。

加工方法が開発フェーズとその費用、量産台数とコストとバランスするべきQCDに準じて検討されており、柔軟な開発体制や予算の見通しに影響していると感じられます。

株式会社ダイモンの中島代表。もともとは自動車の駆動系の技術者で、独立しダイモン社を創業している。

YAOKIによる月面探査事業については2019年10月29日に事業説明会が行われており、そちらも取材済みですので追ってお知らせしたいと思います。

新製品の販売環境を準備中です

2019年秋発売としている製品の販売と展示会出展や協賛のため、色々な作業をしております。製品の形態や梱包などはほぼ固まり、2019/10/23~10/25の期間で出展していたLink to Creativeでも2台ほど販売しました。

今行っている作業は以下のようなものです。

・販売サイト作り
・自社サイト内への商品ページ作り
・取扱説明書の更新
・サイト用写真の撮影

改めて自社での新製品のための画像やコンテンツを考えていると、本来誰に向けている商品か、どのようなチャネルで顧客にリーチするつもりかなど、普段お客様に問うている内容が自分に向かって来ていて考えさせられます。

ちなみに販売サイトの自社サイトの構成は、基本的に自社サイトに情報を掲載し、販売サイトにリンクする形にします。そしてお客様はそのどちらに先にアクセスしても情報を得られる形にします。製品ページと購入ページ双方に性能や仕様などを記載するか、片方にしてそのどちらかに記載してリンクするかなどは追って考えます。

販売サイトに使用するサービスは当面はSTORES.jpにしようと思います。国内でスト同様のサービスにBASEがありますが、1万円以上は月末の自動振り込みに対応していたり、英語記載などにも対応しているなど、オペレーションと今後の展開で比較的長期間使えそうに見えたのでSTORES.jpにしました。この辺りは登録時に利用規約やサービス内容をよく確認して選ぶといいと思います。またゆくゆくはAmazonでの小口販売なども利用しようと思っています。

今後販売を進めていく中で一番検討するべきは海外展開だと考えています。国内市場は縮小の一途なので、もはや国内を相手にビジネスできる期間はそう長くはないと考えていますので。

その場合はアリババなどのアジア圏に特化したサービスを利用するか、もしくはPaypaleBayを組み合わせるか、それぞれに出店するか、いずれかの方法が考えられます。これも追って調査と検討を進めるつもりです。

恐らく全世界規模だとeBayを優先した方がいいでしょう。そしてそれらで購入される場合は個人輸入の範疇になるので、各国の規制などのルールの影響を受けづらいというのもありますので、まずはそこで経験を貯めたいと思います。


それらを進めた結果、取扱説明書の内容充実がかなり重要なポイントになるかと思います。異なる文化を持つ人が同じ製品を使うとき、使い方の理解などに差が出る可能性があるので、「こんなことは言わなくてもわかるだろう」という前提に立つとかなり危険です。「日本人ならこれくらい当たり前だ」ということは、日本人以外は当たり前ではありません。そして日本人は現時点で世界の1/70しかいません。「当たり前」は全く当たり前ではなく、かなりのレアケースと捉えるべきです。

どこかのタイミングでテクニカルライティングの領域ができる人にご協力頂く事になります。そしてありがたいことにもうすでにご協力頂ける方が弊社(株式会社コルプ)には身近にいますので、まずはその方にご相談する予定でいます。


これらをすべてわかりやすく網羅するためにはイメージで見せることが重要です。そのための画像の意味や見せ方を、やはり今同時進行で検討しています。もともとビジネスとして顧客が使用する写真や映像を撮影してきましたが、自分が進めている事業の写真ともなると、何を撮ればいいかなど不鮮明な部分も多くあります。これはもう言い訳する余地もなく、自分が進めている事業に対する自分自身のイメージ不足ということですね。改めて顧客とコミュニケーションを取る時の勉強になっています。


これらの他にもアフターサービスの設定、顧客管理、返品の処理等考えることはまだまだあります。

まだこちらでは正確に商品の情報もお見せしていませんし、今後の販売のステータスと合わせて記事にしていきたいと思います。お待ちください。

北陸新幹線の直通運転再開の公式発表からJRの危機感を推測する

先週の話になりますが、2019年10月18日に北陸新幹線の被害状況についての公式情報と全線復旧目途と運転本数についてのリリースがありました。

まず被害状況から見てみましょう。

台風19号の影響による千曲川の氾濫等の影響で、北陸新幹線では長野~飯山間の線路、長野新幹線車両センター構内および新幹線車両が冠水するなど設備等に甚大な被害を受けました。

台風19号による北陸新幹線の設備等の主な被害状況について , 2019年10月18日東日本旅客鉄道株式会社 (引用:2019年10月21日)

別紙にある通り、大きく下記3点に分けられています。

(1)本線の被害
(2)長野車両センターの被害
(3)車両の被害

本線は信号用電源設備の交換が必要そうな様子が画像からわかります。車両センターも既報の通り営業車両のメンテナンスができるような状態ではないことがわかります。車両もやはり室内まで冠水し、おそらく構体内部まで浸水していると思われ、安心して運用できる状態ではないのではないかと推測されます。これは主に過去のQA+記事や他の予測情報でも推測されていた内容です。

注目するべきなのは同日発表された直通運転再開に関する情報です。

台風19号の影響 により、 北陸新幹線の一部区間(長野~上越妙高間)で運転を見合わせておりますが、復旧作業および安全確保の見通しが立ったことから、10月25日より北陸新幹線(東京~金沢間)の直通運転を再開する見込みです。

北陸新幹線(東京~金沢間)の直通運転再開見込みについて , 2019年10月18日東日本旅客鉄道株式会社 (引用:2019年10月21日)

過去のリリースで復旧目途は1~2週間、信号関係以外の復旧が必要な場合には更に期間を要するとの発表がありました。

現時点で信号関係の電源装置に甚大な被害が確認されており、この電源装置の復旧には概ね1~2週間程度かかる見込みです。ただし、信号制御装置等このほかの設備に不具合が認められた場合には、設備の復旧まで更に時間を要することになります。

北陸新幹線及び中央本線(高尾~大月間)の現況と今後の見通しについて , 2019年10月15日東日本旅客鉄道株式会社 (引用:2019年10月21日)

これは当初の調査以上の不具合はなかったということでしょう。まさに当初の見積もり通りの復旧目途となります。更に同じリリースの中で東京~金沢間の直通運転についても言及されています。

長野新幹線車両センターにおける新幹線車両の浸水被害により、限られた車両数での運用となり ます。 北陸新幹線の列車本数 は約8割となりますが、東京~金沢間の直通列車については約9 割の運転本数を確保いたします。

北陸新幹線(東京~金沢間)の直通運転再開見込みについて , 2019年10月18日東日本旅客鉄道株式会社 (引用:2019年10月21日)

上越新幹線用のE7系を優先して投入しても8割程度の本数となるということですが、興味深いのは東京~金沢間の直通列車については9割を確保するという点です。

北陸新幹線には富山~金沢間の区間運転列車である「つるぎ」があります。おそらくこの「つるぎ」の運用を減らして、直通列車の「かがやき」「はくたか」として富山以遠へも足を伸ばす形で走らせるものと思われます。その部分が「列車全体の本数は8割だが直通列車に関しては9割」という部分と思われます。

災害対応から復旧する時には暫定的に少ない輸送量から運用を再開し、設備状態を万全の体制まで復旧させるのが最善ではありますが、「つるぎ」は関西方面から北陸方面(富山)へのアクセス改善のために存在する列車です。「つるぎ」の本数が削減されるということは、多少ではあっても大阪~富山間のアクセスを悪化させる施策です。

ではなぜそこまでして直通列車を優先して走らせるのでしょうか。そもそも高速鉄道自体が長距離大量輸送のために存在するので、直通列車を優先するというのが当たり前ではあります。でも今回の判断が取られた背景には理由が2点あると考えます。

[1]航空路線対策

今回の北陸新幹線の被災に対応して、国内航空会社2社から北陸~東京便の増便が行われていました。10月18~19日の2日間にわたってANAは東京(羽田)~富山線で、JALは東京(羽田)~小松線で増便と機材の大型化を実施しています。

台風19号の影響で北陸新幹線の一部区間が不通となり、東京と北陸地方の間での移動に支障が出ていることから、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)では臨時便を設定するなどしている。

ANAでは、羽田空港~富山空港間で臨時便を運航。JALでは、羽田空港~小松空港間で臨時便を運航するほか、機材の大型化も実施している。

ANAとJAL、北陸新幹線の一部不通に伴い臨時便設定 , トラベルWatch, 2019年10月17日 11:59 (引用:2019年10月21日)

以下の通り、機材変更(大型化)ならびに臨時便の設定を実施いたしますのでご案内をさせていただきます。

東京(羽田)-小松線、機材変更(大型化)ならびに臨時便設定のお知らせ , 2019年10月18日 日本航空 ,(引用:2019年10月21日)

増便・臨時便のお知らせ

ANA, (引用:2019年10月21日)

新幹線は高速での長距離大量輸送が使命で、航空路線が競合になることが多いものですが、おそらく今回も被災時の対応ではあるものの、JRとしてはそのまま航空路線の利用が定着することは避けたいと考えると思います。そのためには一刻も早く全線での運転を再開するべきというのがJRの判断としてあったと考えられます。

[2]東京からの直通乗客の多さ

「被災した北陸新幹線の営業面への影響を考える」でも引用したデータを見るとわかりますが、北陸新幹線の高崎~上越妙高間(JR東日本区間:2018年度:37,056人/日)と上越妙高~金沢間(JR西日本区間:2018年度:23,001人/日)の平均通過人員ではJR東日本区間に対してJR西日本区間は約60%程度になります。

そのデータで北陸本線の平均通過人員を見ると、米原~金沢間で2018年度には25,825人だったことが分かります(データで見るJR西日本: 区間別平均通過人員および旅客運輸収入(2018年度) )。つまり、関西方面から北陸方面への輸送量を考えても東京直通列車を優先した方がよいということになったと思われます。

北陸新幹線の10月中の直通運転再開により、新幹線の便利さと存在感が再認識されたといってもいいのではないかと感じます。これから年末に向けた首都圏からの輸送力の完全復旧に向けて、おそらく製作中の上越用E7系の納入前倒しなども検討されることと思います。

被災した北陸新幹線の営業面への影響を考える

2019年10月12日~13日の台風19号の被害は非常に大きいものでした。各地で亡くなられた方にご冥福をお祈り致します。また被害にあわれた方にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

前回は車両が水没した北陸新幹線の復旧に求められる要件について考えてみました。

JR東日本から復旧見込みについて発表があったようですので、主に北陸新幹線の部分について確認してみます。中央本線についても言及がありますので、発表資料をリンクします。

【北陸新幹線】
○長野~飯山間の線路が冠水した影響で、北陸新幹線は長野~上越妙高間で運転を見合わせております。現在、東京~長野間及び上越妙高~金沢間で特別ダイヤにて折り返し運転を行っております。


○現地付近の浸水が解消されたことから、15日より長野~飯山間の線路冠水箇所の点検を開始しました。現時点で信号関係の電源装置に甚大な被害が確認されており、この電源装置の復旧には概ね1~2週間程度かかる見込みです。ただし、信号制御装置等このほかの設備に不具合が認められた場合には、設備の復旧まで更に時間を要することになります。これらの復旧ができ次第、長野~上越妙高間は運転を再開いたします。

○長野~上越妙高間の運転再開により、北陸新幹線は全線(東京~金沢間)での運転再開となりますが、長野新幹線車両センターにて新幹線車両が浸水したことにより、使用可能な車両が通常の3分の2程度になります。このため、北陸新幹線全線(東京~金沢間)運転再開後の運転本数はこれまでの5~6割程度となる見込みです。

北陸新幹線及び中央本線(高尾~大月間)の現況と今後の見通しについて , 2019年10月15日東日本旅客鉄道株式会社 (引用:2019/10/16)

地上側設備の被災状況と合わせて車両の被災の言及がされており、やはり運用に投入可能なのは2/3程度、全線での運転再開後の本数は5~6割とのことで、実際に運転再開した後の稼働率が2/3を切るのは、前回のでも書いた運用中の定期整備による運用離脱分も含んでの予測でしょう。

営業用車両は当然定期的に点検と整備が必要なため、地上側の設備の復旧が完了するまでは整備待ちの車両は営業に投入できないことになります。

JR東日本が持つ他の設備を使用するにしても、そちらは他路線で運用中の車両も入るので、順番待ちが発生すれば、北陸新幹線用の電車が後回しになることも考えられ、北陸新幹線の営業に対する影響は0ではないでしょう。

2019年台風19号の鉄道被害と、北陸新幹線の復旧要件を考える, 2019/10/15 QA+

・北陸新幹線の営業力の減少による減収分を予測する

車両が被災した影響は運転本数の減少、すなわち旅客数源による収入減少に現れます。北陸新幹線はJR東日本が営業する高崎~上越妙高間とJR西日本が営業する上越妙高~金沢間に分かれます。

【JR東日本区間の減収分】
JR東日本は「路線別ご利用状況」として各年度ごとの一日当たりの乗客数と最新年度の旅客運輸収入についての情報が公開されています。

高崎~上越妙高間の平均通過人員(人/日)
2015年度 37,050
2016年度 35,899
2017年度 36,127
2018年度 37,056

高崎~上越妙高間の旅客運輸収入(百万円)
2018年度 66,299

JR東日本 路線別ご利用状況(2014~2018年度)より2019/10/16引用

(筆者注)2014年度からのデータで2015年からの記載になっているのは北陸新幹線長野~金沢間の開業が2015年3月14日ダイヤ改正からのためと考えられます。

高崎~上越妙高間の平均通過人員(人/日)は2015~2018年度の平均で36533人/日となります。乗車率は時間によってばらつきがあると考えられますが、輸送力の減少に合わせて一様に乗客数も減るとすると全線での営業再開からしばらくは50~60%の約18270~22000人程度となると考えられます。

また2018年度の収入は66299百万円(662億9900万円)となり、一日当たりの旅客運輸収入に均等割りで換算すると約181.6百万円(約1億8160万円)となります。2019年度も何事もなければ2018年度と同程度の収入があったと仮定して、今回の台風分の減収分を試算します。前提条件は以下です。

・JR東日本発表の全線運転再開後の運転本数がそのまま収入に影響すると仮定する
・ JR東日本発表の全線運転再開後の運転本数が 年度内は維持されると仮定する(他線区からの支援増備が不可能な車両のため、整備が早く終わる以外の補充はなさそうと考えられるため)


全線運転再開後の収入は100%ダイヤ通り運行できた時と比較して50~60%と見積もって収入は約90.8~109百万円(約9080~1億900万円)となり、緩めの見積もりとして60%で運転できたとしても一日当たりの減収額は約72.7百万円(約7270万円)程度にはなりそうです。

仮に2週間後の2019年10月30日で全線で営業再開しても2019年度はあと154日ほどありますので、一日当たり72.7百万円の減収がその全期間にわたり発生したとすると、11195.8百万円(111億9580万円)の収入減となりそうです。これは2018年度の収入の約16.9%に相当することになります。

加えて、2019年10月29日までの15日間は高崎~長野間の区間運転となり、また投入できる車両が限られることからここでの収入減も発生します。高崎~長野間の過去4年度の平均通過人員は約42537人/日で、50~60%の運転本数となると約21268~25522人/日の輸送量となりそうです。

収入に対するこの区間の割合が示されていませんので、ここでは高崎~長野間の収入に関しては計算しません。

【JR西日本区間の減収分】
JR西日本は「データで見るJR西日本: 区間別平均通過人員および旅客運輸収入(2018年度) 」として2018年度の区間別平均通過人員と旅客運輸収入を公開しています。

それによると上越妙高~金沢間の2018年度の情報は以下のようになります。

上越妙高~金沢間の平均通過人員(人/日)
2018年度 23,001

上越妙高~金沢間の旅客運輸収入(百万円/年)
2018年度 42,954

JR西日本  データで見るJR西日本区間別平均通過人員および旅客運輸収入(2018年度)
より2019/10/16引用

JR東日本の場合と同様に、2019年度も何事もなければ2018年度と同程度の収入があったと仮定して、今回の台風分の減収分を試算しようと思いますが、JR西日本については少々状況が違います。その状況の違いを踏まえつつ前提条件は以下のように考えることにします。

・JR西日本の公式発表には上越妙高~金沢間の折り返し運転に関する間引き率の情報がないため、JR東日本の情報を転用する
・ JR西日本区間では金沢~富山間の「つるぎ」があり、また現時点で金沢車両センターにどの程度の車両が留置されているか分からず、またそれらが今後どのように運用されるかの見通しが立たないため、JR西日本区間については実際の運転本数の間引き率はもっと少ない可能性がある


JR西日本区間についてはJR東日本よりも運転本数は多い可能性がありますが、2019年10月16日時点では暫定的にJR東日本と同じ50~60%の運転本数と仮定します。

上越妙高~金沢間の平均通過人員(人/日)が2018年度の50~60%とすると約11500~13800人となります。

また2018年度の収入は42954百万円(429億5400万円)となり、一日当たりの旅客運輸収入に均等割りで換算すると約117.7百万円(約1億1770万円)となります。運転本数を 50~60%と見積もると収入は約58.8~70.6百万円(約5880~7060万円)となり、緩めの見積もりとして60%で運転できたとしても一日当たりの減収額は約47.1百万円(約4710万円)程度にはなりそうです。

JR西日本の営業線区は台風の影響を受けていませんので、すでに運転が再開されています。仮に2019年10月15日から運転を再開し、同じダイヤを維持するとなると2019年度の運転日は169日となります。

47.1百万円の減収が169日間にわたって発生すると、2019年度は約7955.3百万円(約79億5530万円)の収入減となりそうです。これは2018年度の収入の18.5%に相当することになります。

・被災エリアにないJR西日本の特異要素

今回被災しているのはJR東日本エリアでJR西日本エリアについては影響がありません。そのことがJR西日本に与える影響をプラス面とマイナス面に分けて考えてみます。

【プラス面】
・JR西日本エリアは復旧のコストが発生しない
・金沢~上越妙高間の運転は残された車両のみとはなるものの運転区間とダイヤを JR西日本のみでコントロールできる
・W7編成2本がJR東日本エリアで被災していることからJR東日本から何らかの補償 を受けられる可能性がある

【マイナス面】
・東京に直通する「かがやき」「はくたか」の乗客が期待できなくなる
・仮に輸送量オーバーになったり、定期点検で車両が足りなくなったりしても車両 の補充ができない

特にマイナス面のうち、東京からの直通の乗客がいなくなることの影響が読めません。運転本数が維持できても、直通運転がなくなることによる減収の方が大きい可能性があります。

上越妙高~長岡間を特急しらゆきを使用した上越ルートで迂回できますが、特急しらゆきの接続性に依存します。一日5往復の運行ですので乗り継ぎしやすいとは必ずしも言えないように思います。

特急「しらゆき」は、2015年(平成27年)3月14日に北陸新幹線・長野駅 – 金沢駅間延伸開業に合わせ、上越妙高駅での新幹線(主に富山・金沢方面)との接続列車として、1日5往復体制で運行が開始された。新潟県上越地方から柏崎市や長岡市などを経由して新潟市とを結ぶ列車で、このうち3往復が上越妙高駅発着で、2往復が妙高市新井地区方面の利便性確保のため新井駅発着で運行されている。

しらゆき (列車) , Wikipedia, (引用:2019/10/16)

復旧までは、鉄道での東京~北陸方面への移動は長岡・新潟経由か、米原経由かのいずれかで移動するしかなさそうで、北陸新幹線開業以前に戻った感すらあります。

ちなみに筆者はこの運休期間中と思われる時期に北陸方面への移動予定があり、どちら経由で移動しようか検討中です。

・再認識させられた新幹線運行におけるJR西日本の不遇

JR西日本は新幹線の運行において難しい立場に立たされることが多い企業です。JR西日本エリアの新幹線は山陽新幹線と北陸新幹線がありますが、山陽新幹線は東海道新幹線を営業するJR東海の要望から、九州新幹線直通列車の東京乗り入れができません。

東海道新幹線は輸送力に対して輸送量が常にほぼ上限で推移し、編成両数の少ない九州新幹線を乗り入れさせている余裕がないからです。東京駅で東海道新幹線の電車を見ていると16両編成しかないのはそのためで、新大阪まで行けば山陽新幹線区間のみの列車や九州新幹線の列車など種類が増えます。

東京から直通することができている北陸新幹線でも、今回の営業実績を見る限り、北陸のJR西日本区間は東京側よりも輸送量が小さいことが読み取れます。

そのような状況の中直通運転が停止された北陸新幹線は、営業面で被災前に戻るのには少し時間が必要なように思われます。そんな中で特にJR西日本には耐えて頂きたいと思います。

「足りないものがある」と思うならそれはできるということ

今まで顧客からの発注に対して、材料を加工して納品してきた加工メーカが自社で製品を作り販売しようとするといろいろな壁に直面します。今まである会社に勤めていた方が新しい職種、職場に転職しようとすると、実際に内定を得るまでに多くの企業が要求するスキルとミスマッチがあることを実感します。

今までにやったことがないことをやろうとすれば絶対にそこには足りないことがあるはずです。そして、特にビジネスにおいてやりたいと思い実際に足りないことを痛感するのは新しい領域に手を出そうとする時だと思います。

筆者は今初めて自分の会社で企画した製品のリリースに向けて活動していますが、その過程で感じたはまさにことを今のタイミングで簡単にまとめておこうと思います。

・一番どうにかなるのは方法=技術

自社製品を売り出そうにもまずは企画を考えなければいけません。実は今進めている企画はある材料と出会えたことで発想したものでした。つまりその材料との出会いがなければ思いつかなかったものでした。シーズベース、プロダクトアウトから始まった企画と言えますね。

そしてその企画を思いついた私はメーカからもらったサンプルを使用して機能試作品を作りました。それを自社が出展するあるイベントでプロトタイプとして展示しました。

そうしたらそれを見たイベント参加者はかなりの確率で私の製品に目を留めました。足を止めて見るまではいかずとも、「あれなんだろう」という表情で見ながら通り過ぎたり、時にはプロトタイプの前で立ち止まり「へー」と言って立ち去る人がいたりしました。

その中の何人かは「これどうなってるんですか?」とか「これはなんですか?」と質問して下さり、「それだったら自分はこういう時に使いたいです」と、それぞれが想定した使用シーンの話をして下さいました。

企画は思いついただけでは実行を判断するだけの情報になりません。実際に市場にリリースした時のお客さんがいなければそもそもビジネスにならないのですから、企画を思いついたらその企画にお客さんが付くかどうか確認しなければなりません。私はそれを自分が出展するイベントで実施しました。

「お客さんがいるか分からなくて不安」であれば実際に探してみればいいのです。自分が思いついた企画が本当に自分が思ったニーズがあるかどうかを確認していなければそれはビジネスではなく趣味でしかありません。

一方でその企画を思いついて、お客さんがいるとしてもそれを自社が作れるか分からないというケースもあると思います。その場合はその機能がどのように構成されるのかを考え、それを何らかの形で形作るものがこの世の中にないのか、探せばいいのです。案外やってくれる人や企業がいると思います。つまり、実は思いついたことを実現するための方法(=技術的なこと)は、案外どうにでもなるのです。

方法論が問題になるのは実際にリリースした後、コストと工数(納期)が見合わないとか、品質を市販レベルにするのに要求される作業がものすごく難しくてコストも納期も圧迫してしまうとか言う場合です。これは単純に工程設計が甘いだけなので、リリースを公表する前に量産性確認をすればいいだけです。

ちなみに量産後に量産性不良で困る人のタイプは大体決まっています。全部誰かに任せて自分では手を動かさない人です。企画を考えたのがあなたなら、あなた自身が一度は必ず手を動かしてみましょう。実現可能かどうかすぐわかるはずです。

・プロダクトアウトかマーケットインか

一応簡単に説明しておきますと、プロダクトアウトとはシーズベースで製品開発を始めることです。製品や技術が先にあって、その活用先を考える企画の立て方です。中小企業、特に製造業の方が商品開発をするときはどうしてもこの形になりがちです。元手をあまりかけないようにするため、自社にある材料と機械で開発しようとするからです。

一方でマーケットインとはニーズベースです。使い手がいて、どういう時にどういう使い方をする道具を作りたいかで、商品企画をします。

個人的にはこのどちらかで迷う必要はないと思います。理由としては買い手がつく可能性が未知数の企画に対して元手を掛けたくないのは誰でも同じで、一方でユーザがいるかいないかはどこかのタイミングで必ずわかることだからです。

上に書いたように私自身最初は品物を見てアイデアが浮かびました。その後、機能試作品を人に見せたことで、そこで聞いた意見でマーケットがあることを理解しました。ちなみに買い手になりそうな業界は複数あることが分かりましたので、今後それぞれの業界に合わせてプロモーション戦略を立てなければいけないという状況にあります。

技術が分かるというのは大きな強みです。企画さえ思いつけば実現への段取りを構築するのは早いはずです。一方でユーザの存在を見つけられていないというのはビジネスとして致命的です。

・常に新しい世界を探しに行く

歳をとればとるほど職場と家の往復で日々が過ぎていくようになる人が増えます。これは仕方のないことですが一方で新しい世界に触れないと自分の技術が必要とされる世界が他にないのか見つけることができません。かといって、違う業界の見本市や展示会にいきなり出展したところで新規の顧客が付くとは限りません。既にある業界は特に国内の業界の場合は既存の企業で成立していて新規の参入が困難なことがほとんどです。

そんな中で新しい企画と新しい顧客を発見するにはもっと思い切って視点を変化させる必要があります。今まで何気なく帰っていた自宅、自宅で生活している家族の様子から何か家事で使える物が作れないかとか、自分の趣味に通じるもので何かできないかとか、業界から、場合によっては仕事からも視点を変える必要があるかもしれません。

しかし「そんな小さい商品では自社の売り上げ構成比率が変わらない」と言って新規事業に踏み出さない企業も多いのが現状です。でも考えてみて頂きたいのは、そもそもあるかどうかすら分からない市場に新しい製品を持っていくんですから、はじめから売り上げが立つことを期待する方が間違ってるはずです。何らかの動きを起こす方が先ではないでしょうか。

技術の不足の話、ユーザの発見、企画の見つけ方と3つに分けて大雑把に書いてみました。足りない、分からないということが分かってるなら十分にアクションを起こす理由になります。

それさえクリアできれば、先へ進めるはずです。

日本人に足りないのは “Trust, but Verify” かもしれない

筆者は社会人になってから一度大学院に入学していまして、“Trust, but Verify(信ぜよ、されど確認せよ)”はその講義の中で聞いた言葉です。それが何の講義だったかは記憶が定かではないのですが、経営者から従業員に対して仕事などの取り組みの中で使われると聞いた記憶があります。「あなたのことは信頼しているよ。でも、だからこそ確認はさせてもらうよ」という風に言うような事がある、との事でした。

私はこれを聞いた時に「あぁ、外注先の会社さんにお仕事をお願いする時や工程監査などに伺う時、自分もそんな気持ちだったなぁ」と思った記憶があり、それからずっと頭の中から離れない言葉です。

そのことを、サウスピークという英語学校のインタビューを受けた際に答えたことがあります。

–品質保証部の方から確認されるということは、責められているかのような感情を抱かれることはありませんか?

そのような感情をいだかれる方もいらっしゃいます。

ですので、こちら側が信頼していることを伝えることが大事だと思いました。海外では「Trust, But Verify」(信ぜよ、されど確認せよ)という言葉があると聞いたことがあります。相手に対して「あなたと一緒に仕事をしたい」「あなたには一定の技術力があることを評価している」と信頼を伝えること、その後に認識の齟齬を確認していく、という順序が必要です。

相手は、別の会社であれ、別部署であれ、自分たちの製品を作ることに協力してくれている仲間です。良い製品を作り、広くお客様へ届けて、使っていただくことで価値を社会に広めることが目的であることを忘れることはありません。

信ぜよ、されど確認せよ。品質保証の経験者に聞いた目的を実現するための仕事術 , サウスピーク(https://souspeak.com/ks/hinsho-shigoto/),引用日:2019/10/3

・もともとはロシアのことわざ

改めてこの言葉を簡単に検索してみたら、元はロシアのことわざだそうです。

Trust, but verify (Russian: Доверяй, но проверяй; Doveryai, no proveryai) is a Russian proverb. The phrase became internationally known in English when used by President Ronald Reagan on several occasions in the context of nuclear disarmament discussions with the Soviet Union.

Trust, but verify , Wikipedia,(https://en.wikipedia.org/wiki/Trust,_but_verify),引用日:2019/10/3

「アメリカのロナルドレーガン大統領がソ連との非核化協議の中で度々引用していることから国際的に知られた」とあります。

どういう経緯で元の言葉がことわざと言われるほどに頻繁にロシアで使われるようになったのかはわかりませんでしたが、国際的に使われるようになったのはいつ実弾を交えることになってもおかしくない東西冷戦下の非核化協議です。その経緯は、どう考えても和気あいあいとした穏やかな雰囲気ではなさそうです。

当時のアメリカとソ連は、お互いのバランスを崩さないようにただいつ攻められても対応できる戦力を残しながらギリギリの交渉を進めていたと思います。「信頼しているよ」と言いながらその心境はものすごく大きな恐怖心と、かついつ何らかの決断を下す必要が出てくるか分からない緊張感を伴うものだと思います。

・製造業の受発注関係も緊張感を伴うもの

筆者がその言葉を聞いた時、その「信頼している」と表明しながらも「だけど確認はさせてもらうよ」という強さ、「その信頼を実際の形として見せてほしい」と表明する意志が、実は製造業における受発注関係にも求められているし個人的には相手先企業に求めていたことだったなと思い至ったのです。

文化や習慣の違いを前提としたコミュニケーションこそが他社を巻き込むプロジェクトチームに必要な考え方です。

Vol.39 ITプロジェクトこそ、”trust but verify”(信ぜよ、されど確認せよ) , スフィアシステムコンサルティング株式会社,(http://sphere-sc.co.jp/column/2350.html),引用日:2019/10/3

同じ言葉をテーマにコラムを書かれていたIT企業がいらっしゃったので、そのコラムから引用させて頂きました。

そもそも自分にできないことだからこそできる人にお願いする意味があるわけですから、この考え方は外注先と取引する時に絶対に必要な考え方です。

しかしここで相手先企業と積極的にコミュニケーションをとる人はどの程度いるでしょうか。加工屋さんに部品の加工を依頼した時、「頼んだ先に細かいことを聞くのは失礼じゃ…」とか「図面も出したし頼んだんだからいちいち細かいこと言わせないでちゃんとやって来てくれよ」とか思ったりしていませんか?

受託事業を営んでいる会社さんでは発注後何も聞いてこないし確認もしてこないで、品物を納めた時に文句を言われた経験のある方はいらっしゃいませんか?または明らかに知らなさそうなのに知ったように言ってくるなぁと感じたことや、コスト面で有利になりそうな施策が講じられていない図面などが顧客から送られてきたことなどはありませんか?

製造業などの受発注関係でも、コミュニケーション上の緊張感があるんですよね。

・曖昧な点は必ず聞いて確認する習慣をつける

もしわからないことや曖昧な点があるのであれば必ず聞いて確認する習慣をつけることをお勧めします。受注する側であればこの部品が搭載される予定の製品が要求している性能はどの程度で、要求仕様や図面に書かれている内容が製品として妥当なものであるのかを確認してしまってもいいでしょう。図面が受け取れるということは機密保持契約は済んでいると思いますので、逆に業務上聞いてはいけない内容ではないと思います。聞いてはいけない内容なら相手先から「そこについてはお話しできません」と言われるはずですし。

発注側であれば、「自分はできないから頼んでるんだ」とか「頼んでるんだからちゃんとやれよ」とかではなく、頼んだ内容が理解されているか、実現のための道筋が立てられているかを確認する責任があります。その確認をしないまま出来上がったものを見て指摘するのは筋が違いますし、確認を怠った結果そのまま製品が納入されてしまえば修正が必要な場合もあり得ます。

発注するということは自分側にできない理由があることになります。時間的に自社の工程が空かないとか、自社にその設備がない、技術がないというケースもあります。特に設備や技術がなく自社でできない仕事であればわからないことや知らないことがあるのが当然です。であれば、相手側に質問する大義名分ができるのです。その大義名分を活用して、相手側に教えて頂き、勉強させてもらいましょう。その勉強は、必ず次回の発注に役立つはずです。

あえて大雑把なくくり方で書きますが、「日本人」は「行間を読む」ことや「空気を読む」ことを要求しがちです。また空気を読んでしまって、不思議に思ってもその場をやり過ごしてしまうこともあるでしょう。

その行間を読むことは、お互いが協力関係にあり、何らかの目的のために前に進まなければいけない開発の現場であれば、むしろない方がいいものかもしれません。

これからの未来のために、自分の状況を表明しためらわずに声を上げましょう。